貨幣経済の発達した今日、売買は物資の配分あるいは商品の流通を担う最も重要な契約類型とされる。売買と交換の関係であるが、講学上、典型契約としての交換(586条)を狭義の交換とし、売買契約など広く財産権の移転を内容とする取引一般を指して広義の交換と概念づけることもある。歴史的にみると交換という形態は広く商品経済の発達以前から存在したが、貨幣経済の発達の結果、その中から物に対する貨幣の交換という取引形態が分化し独立したものが売買であると理解されている。